Appareil Dubroni 「No.1 Photographie de Poche」 Camera

     (江戸時代からあった世界最初の湿板インスタント・カメラ)
 

カメラデータ


製造期間
設計・製造者
製造台数
画像サイズ

写真方式
レンズ
レンズ構成


1864年から数年間

Jules Bourdin  DubroniとはBourdin氏の文字並べ替え

不明

直径4cmの円形

湿板写真
Dubroni 70mm f3.5
ベッツバール型

カメラの種別
  • No. 1 もしくは Photographie de Poche と呼ばれる。5cm正方形湿板に直径4cmの円形画像。
  • No. 2 5x5 cm もしくは 4.5x5 cm の画像。
  • No. 3, もしくは Photographie de Salon と呼ばれる。 7x9 cmの楕円画像。
  • No. 4 ベローズ使用。長辺10cmのガラス湿板。
  • No. 5 ベローズ使用。長辺15cmのガラス湿板。
  • No. 6 ベローズ使用。18x24cmのガラス湿板。
カメラ画像


箱を閉めるとこんな感じです。


これが携帯セット。
薬品、漏斗、スポイトなどがセットになっています。


箱の裏側にはセット名が書かれています。これはPhotographie de Pocheです。


同じくセット内容です。


カメラ本体。上部にスポイトがセットされます。


ボディ裏側。メーカー名、住所などが記載されています。


ボディ内部です。
内側がガラス製になっています。ガラス湿板を押さえつける板バネもありますね。


ガラス板の大きさは5cmx5cm。


薬品のボトルです。
まだ詳しく調べていません。


レンズの裏側の刻印です。Dubroni Parisと書かれています
使用方法
@ガラス板をアルコール消毒する。カメラは化粧箱化学薬品と共に使用される。

Aシャッターはレンズキャップを使用。長時間露光になるので三脚を使用。

B
フォーカシングスクリーンをカメラ後部のガラス容器後口部にぴたりと合わせて装着し、バネ固定します。

Cフォーカスを合わせます。レンズ鏡胴はラックピニオンではなく、
ねじ締付けによってロックされます


Dレンズ キャップを閉め、フォーカシングスクリーンを外し、カメラも三脚から外します。

Eガラス板にヨード化コロジオンを付着させ、カメラ後部に装着し、後部ドアのバネで固定します。

F硝酸銀をカメラ上部からゴム製バルブ型ピペットを使ってカメラ内ガラスコンテナ注ぎます。

G硝酸銀の投入によって、ガラス板は光に対し感度を得ます。

H薬品を取り除きます。

Iカメラを三脚に戻し、レンズキャップで露光します。

J露出後、現像液(ピロガロール)を投入します。現像状態はカメラ後部ドアを開けて確認できます。

K現像後、ガラス湿板を外し、洗浄します。

 Photos with Dubroni 70mm f3.5
 
2013
Asakusa
(浅草)

1864年のレンズが驚くべき描写を示してくれます。湿板インスタント写真はさすがに無理ですが、この軽くてバックフォーカスの短い(約7-8cm)レンズは、最新のSONYα7Rにも簡単に装着可能でした。
その写りは、ペッツバール型の最大の特徴である画面周辺部の像面の湾曲は多少は見ることができますが、その程度はとても穏やかです。それ以上にち中央部から周辺にかけての画像のクリアさ、シャープさは150年の時間を飛び越えてきているかのようです。
逆光での多少の弱さを除けば、極めて優秀な現代レンズに匹敵する「江戸時代レンズ」と言えると思います。


2013
Daikanyama
(代官山)
 

窓越しで、日向・日陰のコントラストが非常にきつい場面でどのように描写してくれるか試しました。
暗部の被写体もしっかり写し出してくれているようです。

 
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